AIの文字起こしは、ボタンひとつで会議を文字にしてくれます。ただ、その出力をそのまま議事録として配れるかというと、そうはいきません。「00:12:34」という時刻、「田中:」という話者ラベル、「えー」「あの」といった口癖が大量に混ざっているからです。
これらを1行ずつ手で消すのは、地味に時間のかかる作業です。そこで、文字起こしを貼るだけでこうしたノイズをまとめて取り除く無料ツール「議事録テキスト整形」を公開しました。
結論から言うと、このツールが向いているのは「AI議事録の文字起こしを、配布できる形に清書したい人」です。音声ファイルそのものは扱いません。すでにあるテキストを整えるための道具です。
※本ツールはブラウザ内だけで動作し、入力した文章は外部に送信されません。会議記録には社外秘が含まれることが多いため、送信しない設計にしています。仕様確認日:2026年8月23日。
何をしてくれるのか
やることはシンプルです。文字起こしを貼り付けて「整形する」を押すと、次のノイズを取り除いたテキストが出てきます。
実際の画面がこちらです。上が貼り付けた文字起こし、下が整形後です。

左上の「00:00:05」「田中:」「えー、」「まあ、」が、下の整形後ではすべて消え、「本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。」という読める文章になっているのがわかると思います。右上には「除去:話者4/時刻4/フィラー6」と、何をいくつ消したかも表示されます。
消す項目は自分で選べる
すべてを機械的に消すわけではありません。除去する項目は、チェックボックスで個別に切り替えられます。

たとえば「誰が何を言ったか」を残したい議事録なら、「話者ラベルを除去」のチェックを外せば、「田中:」などの発言者名はそのまま残ります。時刻だけ消したい、口癖だけ消したい、といった調整が効きます。
用意している除去項目は次のとおりです。
- 話者ラベル:行頭の「田中:」「A:」などの発言者名
- タイムスタンプ:「00:12:34」「[12:34]」などの時刻表記
- フィラー:「えー」「あの」「まあ」などの口癖
- 余分な空行:連続した空行を1つにまとめる
- 余分な空白:行頭・行末や連続したスペースを削除
- 改行を段落にまとめる:句点以外の位置での改行をつなげる(任意)
使い方は3ステップ
- AI議事録や文字起こしを入力欄に貼り付けます。
- 消したい項目にチェックを入れて「整形する」を押します。
- 整形後のテキストを確認し、「結果をコピー」で書き出します。
登録もログインも不要です。ブラウザで開いてすぐ使えます。
消しすぎても大丈夫
このツールは、元のテキストを消しません。整形結果は別の欄に表示され、入力した文章は上の欄に残ります。
もし「話者名まで消えてしまった」と思ったら、チェックを外して「整形する」を押し直すだけです。元データが失われないので、設定を変えて何度でも試せます。会議の記録という失敗の許されないデータを扱うため、あえてこういう作りにしています。
どんな場面で使うか
AI議事録の清書
AI議事録を無料で使う方法で紹介したようなツールで文字起こしを作ったあと、このツールに通せば、配布できる議事録の下書きがすぐできます。
インタビュー記事の下ごしらえ
録音を文字起こしすると、話者ラベルとフィラーだらけになります。それを整えてから編集に入ると、本文づくりがはかどります。
口癖のチェックと組み合わせる
どの口癖がどれだけ多いかを知りたいときは、フィラー語カウントと併用してください。数えてから消す、という流れが作れます。
このツールでできないこと
正直にお伝えします。
音声や動画を直接読み込む機能はありません。文字起こしそのものは、専用のAI議事録ツールが得意な領域です。まずそちらでテキストにしてから、このツールに貼ってください。
また、話者ラベルの判定は「行頭の名前+コロン」という形に基づくものです。そのため、「メモ:」のように名前でない語も、行頭にあれば話者ラベルとして消えることがあります。特殊な形式の文字起こしでは、意図しない除去が起きる場合もあります。整形結果は必ず目で確認してください。あくまで清書の下ごしらえを速くする道具です。
なぜ作ったか
高機能な文字起こしサービスはたくさんあります。それらは音声をテキストにし、要約し、話者を分けるところまでを立派にこなします。
一方で、「その出力から時刻と話者名と口癖だけを消して、配れる形にしたい」という最後の一手には、意外と手ごろな道具がありませんでした。大きなサービスと同じことをやるのではなく、その出力を仕上げる小さな一手を埋める。このツールはそういう位置づけです。
地味な作業ですが、毎週の議事録づくりで積み重なると、けっこうな時間になります。よければ試してみてください。
本記事の内容および本ツールの仕様は2026年8月23日時点のものです。ツールはブラウザ内で動作し、入力された文章を外部に送信することはありません。

